本格的にリハビリ

リハビリはリハビリ室で行うようになった。
作業療法も開始した。
理学療法も作業療法も、まずは状態を細かく検査することから始まった。
リハビリ室に通うようになって一週間が過ぎた。


理学療法は平行棒を使って立つことから始まる。
車いすから恐るおそる立ちあがってみるが、思ったより足の筋力は残っている。
平行棒につかまりバランスさえ保持すれば、立ち続けることはできる。
しかし、平衡感覚は狂ってしまっている。
平行棒から手を離すと、体は左に傾いてしまう。
左から引っ張られる感じがする。
この感覚は座っていても感じる。
ベッドの上に座っていても、体が左に倒れそうになる。
理学療法士さんに鏡に映った自分を見せられて、初めてわかった。
自分の感覚で真っすぐだと思った状態は、左に少し傾いている状態であった。
そのため重力で左に引っ張られるように感じるのだ。
体が覚えてた感覚が、病気によってずれてしまったみたいだ。
平衡感覚を矯正するしかない。
それからは意識的に体を少し右に傾けるようにした。

歩行器を使っての歩行練習は数日で終わり、ロフストランドクラッチ杖を使っての歩行にリハビリが進む。
ロフストランドクラッチ杖を使っての歩行では、歩行距離が少しずつ伸び体力も上がっていった。

ここの病院での理学療法は、1人の理学療法士さんが2人の患者を通常は相手にしていた。
片方の患者を指導している間は、もう片方の患者は休憩している。
私の場合は他の患者が入らない時間にわざわざ変更して、一対一で指導してくれた。
とても熱心な理学療法士さんで感謝している。
その熱心な理学療法士さんが言う。
「社会復帰は周りから病気を気付かれないようにすることも重要」
単に歩ける(移動する)ことを目指すのではなく、周りから気付かれないぐらい普通(きれい)に歩くことを目指すと言っている。
同感である。

作業療法は障害の出ている左手を中心にリハビリを行った。
まずは指先を使うことから始まるのだが、指先は自分ではあまり障害を感じていない。
細かい動きもできる。
ひじや肩が、ちから加減がうまく制御できなかったり、震えが若干起きたりする。
お手玉を投げたり輪投げを行ったりしたのだが、目標からずれてしまう。
元々利き手ではないため、発症前ではどれだけうまく出来たのかは分からない。

木製の「積み木」を積み上げる訓練もやった。
ちょうどゲームの「ジェンガ」で使うブロックと同じ位の積み木だ。
交互に組んで積み上げていくのだが、これを左手だけで行う。
ゲーム感覚で行えて、自分でも意地になるので楽しいリハビリである。

簡易上肢機能検査(STEF)と言うこともやった。
色々な形や大きさの物を、片手でつかんで移動させる時間を測定する。
右は年齢平均の範囲であるが、左は右の1.5~1.8倍ぐらい時間がかかる。
左手だと物をつかむときに落とすこともある。
利き手ではない手の障害が、どれほど不自由につながるかは現時点では分からない。
このような不自由さが想像できない障害の方が、将来への不安となる。

2件のコメントがあります

  1. 軍艦島 さん

    同じような症状の方をアメバで見つけいろいろ相談させて頂きました。ブログのやり方も分らずこのブログ村というのに迷い込み、のすけパパさんに出会いました。本当に辛い症状です。今日は5月なのに雨で昨日より寒く体調は最悪です。
    7年ですか。補そう具などは無しで歩かれたりされてるようで、まだ気晴らしに外に行けますね。同じブログの方にこの苦しみを零しても、頑張るんだ、当たり前じゃないかと。どうやらこういう不調は皆さん持って居ないのかなと、自分だけの記録を書いては登校してます、自分ようにね。参考になる方も頑張って居られ、その方の返信に教えられたり元気を貰ってます。今日は体全体が重いです。

    1. のすけパパ

      こんにちは
      ブログにお越しいただきありがとうございます。
      この病気は症状の内容も出方も個人によってさまざまです。
      私は歩く方はなんとかなりますが、嚥下障害がつらいです。
      ただ7年の時間は過ぎましたので、この生活に慣れたところもあります。
      お互い、いろいろと工夫しながら前向きに生きて行きましょう。

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