温痛覚障害

ワレンベルグ症候群は温痛覚障害(温痛覚麻痺)を引き起こすケースが多い。
私もご多分に漏れず温痛覚障害が発生している。
発生する箇所は、顔面と首から下で左右が異なり、顔面は梗塞が発生しているのと同じ側、首から下は反対側である。
私の場合は梗塞が左側にあるので、左顔面と右半身が温痛覚障害である。


皮膚には三つの感覚がある。

  • 触覚
  • 温度覚
  • 痛覚

温痛覚障害では字の通り、皮膚の三つの感覚の内の二つ、温度覚と痛覚を失う。
触覚は問題ないので、皮膚に何かが触れるのは分かる。

温度覚を失うと温度を感じることができない。
蒸しタオルや氷に触れても、触れた感じはあるが「熱い」「冷たい」の感覚がない。
健康な人でも体温と同じ温度のものは、触れても温度を感じない。
それと同じような状態で、お湯に触れても冷水に触れても同じ感覚でしかない。
お風呂に入っても、左側はお湯でも右側はぬるいプールみたいで気持ち良くない。

痛覚を失うと痛みを感じることができない。
尖った物などで皮膚を刺激しても、触れている感覚はするが痛みはない。
痛みを失っているのは皮膚の表面で、皮膚の下は感じる。
注射針を刺した場合は、腕の中の痛みは感じる。
痒みは痛覚を失っても感じる。
ところが、皮膚を爪でかいてもそもそも痛みを感じない。
「痒いところを爪でかく」と言うのは、痒みを痛みで打ち消しているようなものだから、温痛覚障害では爪でかいても痒みが消えない。
これはなんとも厄介である。

ワレンベルグ症候群での温痛覚障害は左右の片側だけに出るが、体の中心を境にして見事に割れる。
急性期病院時代にカテーテルを入れる検査があった。
カテーテルは足の付け根に入れるため、下腹部を広範囲に消毒する必要があった。
消毒液を脱脂綿にふくませて、右側(障害のある方)から皮膚を消毒していった。
医師から「冷たくないですか?」と聞かれたが冷たさは感じなかった。
その脱脂綿が体の中心を過ぎて左側に達した途端、急に冷たさを感じた。
この差は極端である。
また、体の中心にあるものでも右側、左側で分かれる。
例えば、舌の右側は正常でも左側は温度を感じない。

温痛覚障害での生活は、次の様なことを注意しなければならない。

【怪我】
擦り傷や切り傷などの怪我をしても気付かない。
靴ズレなどに気付かない。
時々、怪我をしていないか目で見て確認する癖をつける。

【熱い物】
火傷する可能性を事前に察知できない。
熱いお風呂や熱い鍋などに触れても気付かない。
ストーブに近づきすぎてても気付かない。
正常な側の手で温度を確認する癖をつける。
万が一、火傷しても痛覚もないので気付かない可能性が高く危険。

【汗】
汗をかかなくなる場合と、汗を大量にかく場合とがあるらしい。
私の場合は夏を経験していないので分からないが、汗をかかなくなっているのではと思っている。
いずれの場合も身体機能としての体温調整がうまくいかないので、気温を確認しながら適切に部屋の温度や着る服の調整を行う必要がある。
特に夏場の外出は熱射病に気を付ける。

ちなみに体温も左右違う。
脇の下で測ると右側の方が左側より平均で0.6度高い。

2件のコメントがあります

  1. カトウマサアキ さん

    温痛覚障害って言うんですね♪

    その中に 顔面神経麻痺があるとは知りませんでした(^^;
    相変わらず右半身の温度は感じませんが、最近は熱寒には痛みを感じます
    治る兆候だとは いいますが全然変わりません  逆に苦痛です

    ちなみに、汗はかきます
    それで 今日は暑いとわかるらしいです
    何かアドバイスがありましたら
    お願いします🍀

    1. のすけパパ

      こんばんは。
      ブログにお越しいただきありがとうございます。
      返信が遅くなってしまいました。
      感覚障害からの痛みはつらいですね。
      私は顔半分は汗がドバっと出ますし、冷たいものに触れると痛いです。
      感覚系の問題は、同じ病気でも人によって対処方法が異なるようで色々と試されるのが良いと思います。
      私は温める方が良いので、真夏でも長袖を着るようになってしまいました。

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