磁気刺激治療

嚥下障害が相変わらずの状態である。
三食口から食べてはいるが、基本は嚥下障害者向けの専用の食事である。
困ることは、外食ができないことと、唾液を定期的に吐き出さなければならないこと。
こんな状況の中、インターネットで新たな治療法を見つけたのでその病院を訪れることにした。


新たな治療法とは「磁気刺激治療」と呼ばれる方法で、コイルを用いて頭の外側から大脳を磁気刺激する治療法である。
脳梗塞による嚥下障害はリハビリだけでは目覚ましい効果が得られない場合があり、私もあまり改善がない。
手術による外科的な治療法も残ってはいるが、やはり体にメスを入れるのは避けたい。
手術は最終手段であり、出来る限りあらゆる治療法を試してみたいと思っている。
嚥下障害に対する磁気刺激治療はまだ研究段階のようではあるが、リスクがあまり無さそうなので病院にとりあえず行ってみることにした。

病院は都内にある。
初診は予約ができないので、朝早く妻の運転で病院に向かった。
受付開始の30分前に到着したが、さすが都内の大病院、既にロビーは人でいっぱいであった。
受付を行い、自分の順番が来るまで待った。
初めての病院、初めての治療法なので「ドキドキ」するかと思ったが、自分で言うのもなんだが落ち着いたものだった。
この病気を発症してから、痛い治療やつらい治療を散々経験しているので、もう「慣れっこ」である。
順番が来て名前が呼ばれた。
医師から磁気刺激治療法の説明をひと通り聞いた。
どうやら私の様なワレンベルグの場合は、効果はあまり期待できないそうだ。
だが期待ゼロではないし、受けることによる危険性はなさそうなので、「まずは試験的にでも受けさせて欲しい」とお願いをした。
今日、治療を受けれることになった。

治療室に呼ばれた。
椅子に座り、頭を固定して背もたれが倒された。
棒の先にドーナツ程度のリングが付いた機器を見せられた。
リングの中心から磁気が発生する。
リングを頭に当てて大脳を刺激する方法と、首に当てて喉を刺激する方法の二種類があるとのこと。
ワレンベルグの場合は、首に当てる方法を用いる。
顎の下、喉仏あたりにリングが密着するように固定し、スイッチが入った。
ちょっとピリピリする。
医師が様子を見ながら、磁気の強さを調整する。
痛くない程度に磁気を強めるようだ。
治療が始まった。
30秒毎に刺激が送られ、これを5分程度行った。
今日はここまでである。

早速、家に帰って昼食を食べてみた。
少しは食べやすさに変化があれば喜ばしい。
残念ながら、今日は特に変化を感じなかった。
1回受けただけなので、そう簡単には効果は現れてこないだろう。
数回受けてみて様子をみたいと思う。
この治療で嚥下がすこしでも改善すれば嬉しい限りである。

2件のコメントがあります

  1. さかどくん さん

    嚥下障害。良くなるといいですね。
    磁気刺激治療はよく聞きますが、脳幹障害には効きにくいのですかね。

    1. のすけパパ

      担当の医師も、磁気刺激治療は信号を発している場所が梗塞の場合に比べると、脳幹のように伝達経路が梗塞の場合は効果が薄いと言ってました。
      でも、一縷の望みでも試してみたいと思ってます。

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