嚥下障害では食べられるものに制限がある。
かたいものやパサパサしたものはダメ。
のどでバラバラになるものもダメ。
水分もダメ。
実はパンも難易度が高い。
健康な方にとって、なぜパンの難易度が高いか不思議かもしれない。
パンは柔らかいけど水分が少なくパサパサしている。
口の中で唾液と混ざり、かむことで圧縮されてかたくなる。
しかも粘度が高い。
非常に飲み込みにくい状態になる。
パンを食べるには、牛乳に浸す方法がある。
普通の牛乳だと、かむとパンから牛乳が染み出してしまう。
牛乳だけがのどに流れてしまってダメ(水分が飲み込めないから)。
牛乳にトロミを付ける方法もあるが、今度はパンが牛乳を吸ってくれない。
パン粥もあるけど、私はパン粥はどうも苦手。
いろいろな味付けでパン粥を試してみたが、おいしいとは思えない。
そんな中、嚥下障害者用のパンが発売されたのを聞いた。
早速、試してみることにした。
その名も「らくらく食パン」。
一枚ずつ個別にパッケージされていて冷凍で届く。
食べる前に電子レンジで暖める。
見た目は普通の食パンに近い。
一口ずつスプーンですくって食べる。
(スプーンですくえるような柔らかさ。)
食べた感じは、水分をたくさん含んだ柔らかいパン。
だけどパン粥みたいに「べちゃべちゃ」していない。
風味もパンを食べている感じだ。
味は三種類ある。
「プレーン」「あっさり味」「コーヒー牛乳」
プレーンは普通の食パン。
あっさり味は、甘みと牛乳の風味がなく、ホントにさっぱりとした味。
和食のおかずにも合う。
コーヒー牛乳は菓子パンみたいで、そのままでおいしい。
私は朝食はパンを食べたい。
今までは蒸しパンを牛乳に浸して食べていた。
だがよく売っている洋風の蒸しパンは、卵がたくさん入っているせいか脂質が高い。
コレステロールを抑えなければならない私にとって、脂質が多い食品は避ける必要がある。
かと言って、普通のパンは食べにくい。
このパンなら食べやすいし、パン粥嫌いな私でも十分においしいと感じる。
冷凍食品の電子レンジによる解凍は、どうしても解凍ムラが出る。
すごく熱くなった部分に、半凍りの部分が残ることがある。
この解凍ムラも、前日に冷凍庫から冷蔵庫に移して事前解凍しておけば防ぐことができる。