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ワレンベルグ症候群で嚥下障害が出たら⑥

「ワレンベルグ症候群で嚥下障害が出たら」の6回目です。
今回は「胃ろう」について、個人的な考えを書きたいと思います。
私自身は胃ろうの経験はありません。
したがって経験則を書くことができません。
胃ろうを行うか否かの判断は大変に難しい問題を含んでいます。
あくまでも一患者としての私見としてお読みください。


なぜ「胃ろう」について書こうかと思ったかは、患者のためにではなく病院側の事情で「胃ろう」をすすめる医師が存在すると感じたからです。
嚥下障害で最も注意しなければならないことは、誤嚥による肺炎「誤嚥性肺炎」です。
肺炎なので、重篤な症状になれば命を落とす危険性があることは事実です。
誤嚥を繰り返すと、本人が誤嚥したことに気付かなくなる(むせなくなる)症状もあります。
このことから、誤嚥する可能性のある患者に対して、医師が肺炎のリスクから「胃ろう」をすすめることは納得できます。

「口から食べる」と言うことは、生きるための栄養補給だけの目的ではないことに、自身が嚥下障害者になって感じます。
「口から食べる」ことを失うことは、生きがいのひとつがなくなると言っても過言ではありません。
嚥下障害になったとしても、あらゆる可能性を信じながら訓練を続け、口から食べる機能を少しでも取り戻すべきと私は思います。

私の入院中の状況を少し書きます。

私は「胃ろう」を行わなかったため、経口摂取ができるようになるまでは経管栄養を行っていました。
食事のたびに毎回チューブを口から飲み込む「OE法」です。
OE法ではチューブが誤って気管に入っていないかを、その都度確認する必要があります。
確認は二名以上の看護師が個別に行うことがルールになっているようでした。
チューブが気管に入った状態で栄養を注入すれば、誤嚥したのと同じ事態が起きます。
食事時間の看護師がとても忙しい時間に、複数の看護師が対応する必要があります。

経口摂取の訓練を開始してから、熱が出たこともありました。
すぐさまレントゲンを撮って肺炎の確認を行いました。
私のような誤嚥する可能性がある場合は、熱などの肺炎を疑うような症状が出れば迅速に対応をする必要があります。

「胃ろう」を行わないことは、肺炎のリスク以外に病院側の「手間」も増えることが分かります。
そのため、「胃ろう」を行うことを強くすすめる病院が一部にあるのだと思います。

ただ、症状によっては「胃ろう」を行うべき方もいるのも分かります。
以下が判断のポイントかと思います。

  • 意識レベルが低く、経口摂取訓練が困難
  • 食事のたびに誤嚥してしまう
  • 誤嚥しても「むせる」などの反射がなく、誤嚥に気づけない

このような状態の場合は「胃ろうを行う」という選択もやむを得ないと考えます。
いずれにせよ、医師としっかりと話し合うことが大切です。

リハビリ病院に転院した直後に見た情景があります。

食事時間にナースステーションの前を通った時です。
車椅子に乗った患者さんが4~5名ほどナースステーションの前に並ばされていました。
ほとんど目を閉じている、意識レベルが低い患者さん達です。
一人の看護師さんが、その患者さんの「胃ろう」にシリンジで栄養を注入しているところでした。
その姿は、ちから任せにシリンジを押し込んでいて、急いで栄養を注入しているように見えました。
インターネットで調べると、「胃ろう」から栄養を注入するスピードは早くても問題はないとの説もあります。
でも、何かとても嫌な感じを受けました。
ハッキリ言って、非人道的なことを見ているような気持ちになりました。
文句が言えない患者さんなので、とにかく時間をかからないように急いで注入しているように見えてしまいました。

この情景が今でも目に焼き付いています。

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