還暦を迎えたワレンベルグ症候群患者が感じる、嚥下障害や神経性疼痛、認知症や災害への不安について、日々の暮らしと向き合う思いを綴ります。
来月、私は誕生日を迎え、ついに60歳になります。
還暦という人生の大きな節目を前に、自分の将来について考えることが増えてきました。
将来に対する不安は、感じる年齢によって性質が大きく変わります。
30歳で感じた不安、40歳で感じた不安、そして今、60歳を前にして感じる不安は、それぞれまったく異なるものです。
仮に寿命を90歳と仮定して考えてみます。
30歳の時点では、それまで経験してきた時間の倍の時間が残っていることになります。
しかし60歳となると、残りの時間は経験してきた時間の半分しかありません。
この時間感覚の変化によって、不安の内容も自然と変わってきます。
さらに40代後半ごろから、自分の体の老化を明確に感じるようになりました。
加えて私の場合は、ワレンベルグ症候群という病気も考慮する必要があります。
今回は、病気を抱えながら還暦を迎える私が感じている、将来への具体的な不安について書きたいと思います。
不安その①:嚥下障害と日常生活
私はワレンベルグ症候群による嚥下障害を抱えています。
液体を健康だった頃のようにゴクゴクと飲むことはできません。
もし無理に飲めば、確実に誤嚥してしまい、誤嚥性肺炎になるリスクも高くなります。
加齢による肺機能の低下
年齢とともに肺の力は弱まり、誤嚥して気管に入ったものを吐き出す力も低下します。
残念ながら、嚥下障害自体が改善することは期待できません。
そのため、とにかく誤嚥だけは避けたいと強く思っています。
現在は注意深く飲み込むことで、誤嚥することは非常に少なくなっています。
最も恐れる認知症との組み合わせ
私が最も恐れているのは、認知症です。
認知症になり、自分が嚥下障害であることを認識できなくなることを心から恐れています。
液体をゴクゴク飲めた頃の記憶は今でもはっきり覚えています。
もし認知症で嚥下障害を認識できなくなり、普通に飲もうとして誤嚥してしまったら…その状況は容易に想像できます。
将来の不安として最も大きいのは、自分が認知症になることです。
不安その②:神経性疼痛との日々の闘い
ワレンベルグ症候群による神経性疼痛のため、左顔面に痛みが続いています。
その痛みを抑えるため、タリージェという薬を毎日服用しています。
おそらく生涯にわたり飲み続けることになるでしょう。
タリージェ長期服用のリスク
タリージェの長期服用では、肝機能や腎機能に影響が出る可能性があります。
まれなケースではあるのですが、病気になってからは「まれ」という言葉で楽観的に考えることをやめました。
AIの推論によると、ワレンベルグ症候群の発症率は年間に人口の0.001%程度です。
その極めて低い確率に、自分は当てはまってしまったのです。
この経験から、「まれ」な副作用も決して他人事ではないと考えるようになりました。
結果として、タリージェの長期服用が寿命に影響を与える可能性も頭の片隅に置かざるを得ません。
不安その③:高まる大規模災害のリスク
現在、首都直下地震や富士山噴火など、極めて被害の大きい災害のリスクが高まっています。
ワレンベルグ症候群の後遺症により、私は歩行に少し支障があります。
早歩き程度は可能ですが、走ることはできません。
避難行動の制限という現実
大きな地震で揺れても、走って避難することは困難です。
瓦礫などで歩行が阻まれれば、移動自体が難しくなります。
大きな災害が発生した場合は、避難できずに命の危険にさらされる可能性も十分に考えられます。
自分勝手な願いかもしれませんが、せめて自分が生きている間は大きな災害が起きてほしくないと思ってしまいます。
「起きるのなら自分が死んだ後であってほしい」と、願わずにはいられません。
おわりに:病気と向き合いながら生きる
以上、最近感じている「将来の不安」について書きました。
もちろん、寿命まで生きるための金銭的な不安も大きいです。
しかし、今回は病気に関係が深いことに焦点を当てました。
金銭的なことを考えるには、自分が何歳まで生きるのか、つまり「寿命までにお金がいくら必要なのか」を意識してしまいます。
これを考えざるを得ないのは辛い現実です。
ワレンベルグ症候群という病気を抱え、還暦を迎える今、これらの不安に向き合いつつも、一日一日を大切に生きていきたいと思っています。

