病院で診察を受けると、医師から「今の痛みは10段階でどれくらいですか?」と尋ねられることがあります。
この痛みの10段階の表現について書きます。
突然聞かれる痛みのレベル
医師からの質問はとてもシンプルなように聞こえます。
でも実際に答えようとすると、「えっと…5?、いや6かな?」と迷ってしまいます。
私はこの質問を受けるたびに、心の中で「10段階の痛みって、何を基準にすればいいんだろう?」と戸惑ってしまいます。
なぜ答えるのが難しいのか
この質問が難しい理由は、「10番の痛み」を人生で経験することがほとんどない点にあります。
幸いなことに。私自身もまだ経験したことはありません。
つまり、最大値を知らないまま、自分の痛みを数値化しなければならないのです。
たとえば、「これくらいの痛みなら我慢できる」と自分では思っていても、それが10段階のどの位置にあたるのかを判断する材料はありません。
「もし注射の針が刺さる痛みを5とした場合、今の痛みはどれくらいですか?」
こうした具体例があれば、もっと答えやすくなるでしょう。
しかし私の経験では、基準が示されたことは一度もありませんでした。
アメリカの医療現場にあった「答えやすい工夫」
ある日、アメリカの医療ドラマを観ていて、興味深い光景を見つけました。
診察室の壁に、痛みの段階の定義表が貼られていたのです。
これは、患者が自分の痛みを正確に伝えやすくするための工夫で、具体的な基準を示すことで混乱を防いでいました。
調べてみると、この表は「Wong-Bakerフェイススケール」と言うらしく、表情が書かれた絵で痛みの程度を評価するものです。
その他にも、以前も紹介したNRS(数値評価)や、VAS(視覚アナログ)などのスケールがあります。

AIに10段階の定義を聞いてみた
最近は生成AIに質問ばかりしていますが、痛みの10段階(痛みなしの0を含むと11段階)の言葉での定義を質問してみました。
結果は以下の通りです。
| 0 | 痛みが全くなく、日常生活に支障はありません。安心して過ごせる状態です。 |
| 1 | ほとんど気にならない痛みで、生活や作業への影響はほとんどありません。 |
| 2 | 少し気になる程度の痛みですが、作業や集中力にはほとんど影響がありません。 |
| 3 | 痛みを明確に感じますが、通常の活動は可能です。意識に痛みが少し影響を与えるため、やや疲労を感じることもあります。 |
| 4 | 動作に多少の影響がありますが、日常生活は継続可能です。歩行や手先の作業には注意が必要な場合があります。 |
| 5 | 痛みがはっきり強く、集中力が妨げられる状態です。生活に支障が出始め、作業効率が低下することもあります。 |
| 6 | 会話や作業に支障が出るほど痛みが強く、注意力が奪われます。動作のスピードや量を調整せざるを得なくなることもあります。 |
| 7 | 動作が制限され、痛みに耐える必要があります。生活の多くの場面でサポートが必要となり、日常が困難になることもあります。 |
| 8 | 何もできないほど痛みが強く、会話も困難になることがあります。体力の消耗も激しく、場合によっては救急対応が必要です。 |
| 9 | ほぼ耐えられない痛みで、日常生活どころか意識すら痛みに奪われます。緊急医療が必要なレベルで、迅速な対応が求められます。 |
| 10 | 人生で経験し得る最悪の痛みで、意識や思考が痛みに完全に奪われる状態です。多くの人が経験しない究極の痛みであり、数値で表すことさえ困難です。 |
日本での普及に期待
AIによる定義は少し長めですが、診察時に手元にあれば質問に答えやすいと感じます。
「会話に支障が出ているから6くらいかな」
「作業効率は落ちているけど、まだ動けるから5かな」
こうした具体的な基準を参考にして答えられたはずです。
診察室に掲示されていなくても、医師は手元にこうした表を持っている可能性があります。
もしそうであれば、もっと活用してもらえれば、コミュニケーションがスムーズになると思いました。

