ワレンベルグ症候群12年経過の現状

ワレンベルグ症候群発症から12年。嚥下障害、温痛覚障害、運動障害などの後遺症の現状と改善の工夫、日常生活への影響を詳しく解説します。

47歳で脳梗塞を発症した日

私が脳梗塞を発症したのは2013年9月のことでした。
あれから12年が経過し、現在は発症から13年目を迎えています。
発症したときの年齢は47歳で、このブログのタイトルにもなっている年齢です。
それまでは比較的健康で、大きな病気をしたこともなく、入院経験もありませんでした。
脳梗塞といえば高齢者のイメージが強かったため、なぜ自分が47歳で脳梗塞になったのか、その事実を受け止めることは本当に困難でした。
とにかくショックでした。
その後、医師から「ワレンベルグ症候群」という病名を告げられ、これから紹介する様々な後遺症に悩まされることになります。

ワレンベルグ症候群の嚥下障害

発症当初の嚥下障害とその衝撃

発症直後、嚥下障害は精神的に最もつらく、ショックを受けた症状でした。
食べること、飲み込むことは人間の基本的な行為です。
それが突然困難になるという現実は、想像以上に心に重くのしかかりました。
現在は発症当初と比べるとかなり改善しました。概ね、家族と同じ食事ができるようになっています。
ただし、完全に普通の状態に戻ったわけではなく、様々な工夫や注意が必要な状態は続いています。

唾液の飲み込みに関する現状

唾液は粘性があり粘着性が高いため、頑張って飲み込んでも喉に滞留してしまいます。
そのため、普段は唾液が口に溜まると吐き出すようにしています。
ただし、少量の飲み物を口に含んで唾液を薄めることで、粘性や粘着性がなくなり、飲み込むことができるようになります。
この方法を覚えてからは、唾液の処理がだいぶ楽になりました。
小さな工夫ですが、日常生活の質を大きく改善してくれる方法です。

飲み物を飲むときの注意点

基本的には「とろみ剤」を使って、とろみを付けて飲むようにしています。
とろみを付けることで液体の流れがゆっくりになり、誤嚥のリスクを減らすことができます。
最近はアルコールにも良く溶ける液体のとろみ剤を見つけたので、飲酒を再開することができました。
これは嬉しい発見でした。
とろみを付けていない飲み物も、ごく少量ずつ(小さじ一杯程度)なら飲むことができます。
しかし、とろみを付けていないと少しでも油断すると誤嚥してしまいます。
誤嚥すると激しく咳き込み、とても苦しい思いをします。
呼吸が困難になり、パニックになりそうな感覚です。

食べ物を食べるときの工夫と注意

ほとんどの食物は問題なく食べられるようになりました。
これは本当に大きな進歩だと感じています。
ただし、水分の少ない食べ物については注意が必要です。
焦って食べると口の中の水分を全部奪ってしまい、喉が詰まってしまいます。
ハンバーガーは大好きな食べ物ですが、喉が詰まりやすい典型例です。
パンの部分が口の中の水分を吸収してしまうからです。
そして厄介なのは、喉が詰まったからといって飲み物で流し込むことができない点です。
焦って飲めば誤嚥してしまうのです。
そのため、水分の少ない食べ物は、ゆっくり少しずつ、十分に咀嚼して食べるようにしています。

突然のむせ込みという厄介な症状

食事中でなくても、唾液が不意に気管に入ることがあります。
そうなれば誤嚥となり、激しく咳き込むことになります。
この現象は、例えばパソコンを操作している時や音楽を聴いているときでも、不意に起きるのです。
何の前触れもなく突然起こるため、外出先では特に困ります。
電車の中や静かな場所で突然咳き込むと、周囲に心配をかけてしまうこともあります。
この突然のむせ込みの頻度は、ここ数年で随分と少なくなりました。
しかし、完全になくなったわけではありません。

ワレンベルグ症候群の感覚障害

温痛覚障害の現状

発症当初とあまり変化を感じていないのが温痛覚障害です。
時折、思い出したように温水シャワーを手に当てて感覚の戻りを確認しますが、残念ながら温度を感じることはありません。
シャワーの水圧でお湯に触れたような感じになりますが、これは思い込みです。
逆に冷たいものに触れると痛みとして感じます。
温度感覚が正常に機能していないため、冷たさが痛みとして脳に伝わってしまうのです。
痛みの感覚についても発症当初から変わっていません。
温痛覚障害がある部位には、ほてった感じがあります。
医学的には「灼熱痛」と言いますが、私の場合は字面ほど激しいものではなく、常にほのかに熱を持っているような不快感があります。

発汗異常

最近の夏は異常に暑いので、汗をかくようなことも増えました。
昨年ぐらいから、汗が顔面右側に集中していることに気づきました。
汗の量が多かったため、最初は右側が異常かと思いました。
しかしよく考えると、温痛覚障害は左側のため、汗が出ないことが異常なのだと気づきました。
これは、温痛覚障害が発汗機能にも影響しているという新たな発見でした。
体温調節のメカニズムが正常に機能していない部位では、汗をかくこともできないのです。

顔面の慢性的な痛みとの闘い

顔面の半分が「ジンジン」と痛みます。
この痛みはここ数年で慢性化し、日常生活の背景に常に存在しています。
顔面の皮膚をなぞるように優しく触れると「ピリピリ」とした痛みも感じます。
逆に強めに触れると痛みはありません。
そのため、マスクやパーカーのフードのように、顔面の皮膚に擦れるものはとても不快です。

激しい顔面痛の発作

年に一度か二度、顔面の強い痛みに襲われることがあります。
これは非常に強烈で、痛みで眠れないほどの激痛です。
通常の慢性的な痛みとは比べ物にならず、何もできなくなります。
そして心配なのは、年々痛みの継続時間が長くなっていることです。
以前は数時間で治まっていた激痛が、最近では丸一日以上続くこともあります。
これが一番の心配事で、今後さらに悪化していくのではないかという不安があります。

ワレンベルグ症候群の運動障害

運動機能

運動障害については、自覚できるほどの大きな変化はありません。
走れないことや、手の細かい動きで震える症状も、発症当初から変わっていません。
走れないことは諦めつつあります。
手の震えは、スマホやタブレットの保護フィルムを貼るとき、位置合わせの際に特に困ります。
(例えが、ピンポイントすぎますね😊)
細かい作業をするときに手が震えるのは非常に不便です。
他にも、細かい部品を扱うときなどに苦労します。

杖の必要性と外出時の注意

一人で外出する際は必ず杖を使っています。
杖がなくても平坦な道なら歩けますが、階段ではバランスを崩しやすく、転倒リスクが高いためです。
エスカレータやエレベーターを可能な限り使うようにしていますが、すべての場所で完備されているわけではありません。
杖は必須のアイテムで、あることで外出時の安心感が大きく増します。

ワレンベルグ症候群の平衡感覚

平衡感覚については、もう戻ってこないものだと思っています。
発症から12年経っても変化がないため、永続的な障害として受け入れるしかないと考えています。
現在は視覚で水平を確認して体のバランスを保っています。
しかし目をつぶれば全く分かりません。暗闇では自分がどの方向に傾いているのか判断できません。
無意識に体が左に傾くため、歩くときに左に引っ張られるような感覚があります。
まっすぐ歩いているつもりでも、気づくと歩道の左端に寄ってしまうことがあります。
最近、左に寄る頻度が増えたように感じ、少し気掛かりです。

ワレンベルグ症候群12年経過の所感

後遺症の全体的な変化

全体として、大きな変化はありません。
劇的な改善もなく、大きな悪化もない状態が続いています。
嚥下障害は改善が見られますが、これは機能が戻ったというより、自分で飲み込み方を工夫した結果だと思っています。

今後の課題と希望

温痛覚障害の温度感覚については、今後、詳細な試験を自分で行って確認しようと思っています。
後遺症はもっと改善することを望んでいますが、年齢を考えると、これ以上悪化させないことの方が重要かもしれません。
現状を維持し、可能な限り工夫して快適に生活すること。
それが今の私の目標です。

幻想的な背景に「12」が浮かび上がっている画像
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3件のコメントがあります

  1. 吉野です さん

    こんにちは。

    私は、2025年10月(入院中に59才になりました)に、椎骨動脈解離による延髄硬塞発症から丁度1ヶ月経過し、将来的にな不安も多い中、『のすけパパ』様のブログを拝読させて頂きました。

    入院は2週間で、退院後は、リハビリ病院には転院せずに、動脈解離の回復を、待つため現在は、自宅療養で、丁度2週間が経過しました。

    後遺症は、右半身の温痛覚障害、平衡感覚障害、複視ですが、何とか、1人歩行は可能です。
    しかしながら、平衡感覚、フラつき、複視の後遺症の度合いが日によってちがうので、しんどい時は、結構大変です、、、

    リハビリ通院で紹介受けたクリニックは整形外科で、紹介状持参して色々相談しましたが、脳梗塞に対してのリハビリでは受けられないとの事でしたので、しょうがないかな、、、と思ってましたが、『のすけパパ』様のブログ拝読して、適切なリハビリを、受ける様に、色々探して、脳神経外科クリニックでリハビリ通院予定です。

    貴重な体験談を頂きありがとうございました。

    1. のすけパパ

      吉野さん、こんにちは
      ブログにお越しいただきありがとうございます。
      この病気、体の少しの変化が健康だった時よりも、大きく出てきます。
      健康だった時はどうってこともなかったことが、とても大変に感じます。
      少しの不調が、大きな不調に感じます。
      リハビリですが、どなたもおっしゃられているように、発症から六ヶ月ぐらいが重要に思います。
      発症直後でご不安も多いとは思いますが、一人で抱え込まないようにして、リハビリをがんばってください。

  2. 吉野 さん

    のすけパパ様
    こんにちは。
    ご返信、アドバイスを頂き、本当にありがとうございます。
    これからも、ブログを拝読させて頂きますので、宜しくお願いします。

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