十年は生き延びた ②平衡感覚

脳梗塞を発症してから十年、なんだか「あっ」という間に時は過ぎてしまいました。
多分に年齢が影響していますが、時が経つのは早いものです。
発症時は、たった一晩で変わってしまった自分の体に、いつまでも状況を飲み込めずにいました。
元気な頃を思い出して、何回も涙を流したことも記憶に残っています。

症状(後遺症)の変化の二回目です。
今回は感覚障害について書きます。

前回の運動障害では、歩くことに問題があることに触れました。
そのために出歩く際は杖が必要です。
原因は左足がスムーズに動かないことです。
加えて平衡感覚に問題があることも大きく影響しています。
脳梗塞の検査では片足立ちの持続時間をよく計ります。
この片足立ち、発症当初はまったくと言って良い程できなくなっていました。
すぐにバランスを崩してしまい、上げている足を下ろしてしまいます。
感覚のことと言えば、皮膚感覚をまっさきに思い浮かべると思います。
ところが平衡感覚も感覚のひとつです。
今回はこの平衡感覚のことを書きます。

発症後の平衡感覚は完全に狂っているかのようでした。
体が常に左に引っ張られる感覚があり、立っていても、座っていても感じます。
唯一、ベッドで横になっているときだけは、この感覚は消えます。
左に引っ張られる原因は、上半身が正しく垂直になっておらず、左に倒れていることでした。

 

上半身が左に倒れていれば、重力によって左に引っ張られているように感じます。
問題なのは、本人はそれでも上半身を正しく垂直にしている「つもり」なことです。
のちのち分かってきたのですが、わたしの平衡感覚は狂ったのではなく、喪失したようでした。

この障害の克服は、とにかく視覚で上半身の傾きを補正することです。
柱や建物、背の高い家具、なんでも良いので縦の線を目で見て意識して、自分の感覚を補正します。

さて、この後遺症の10年後です。
残念ながら失った平衡感覚は、戻っている実感がありません。
視覚による垂直補正は意識しないで行えます。
それでも、歩くときはバランスを杖で補助します。
考え事をしながら歩いていると、道の左に寄ってしまいます。
片足立ちは1分近くできますが、眼を閉じるとまったくできません。
真っ暗なところでは垂直を補正する目印がないので、前に進むことさえできません。

「失った平衡感覚を視覚で補うこと」、これも「代償動作」と言えるのだと思います。
これで視覚を失ってしまうようなことでもあれば、歩行する能力も失うことになってしまいます。
そのために眼の役割がとても大きくなったので、眼はもっと大切にしなければと思います。

やじろべえの写真

6件のコメントがあります

  1. レオンありがとう。 さん

    久しぶりにコメントさせて頂きます。
    私も2017年5月17に動脈乖離で手術し、ワレンベルクになり6年過ぎました、リハビリをしていた時より平衡感覚も私は右に傾いてしまい右へ右へ引っ張られる感じです、あとは目が悪くなり眼鏡が必要になった事と何より目眩という表現が最近違うのですが、右の眼振というか目に映る物が右が歪んだりふわっと回る感じだけは治らず6年前リハビリ時より酷くなっています。
    今耳鼻科に通い三半規管等診てもらいますが異常が無く、やはり血管再生が鍵なのかなと思います。
    これから寒くなりますね、のすけパパさんも身体に気をつけてワレンベルクと向き合いながら少しでも良くなる事模索し続けたいと思います。

    1. のすけパパ

      お久しぶりです。
      片方に引っ張られる感じは私も強いです。
      なるべく杖を使わないように訓練しているのですが、左側が車道の場合は怖いです。
      寒くなってきましたね。
      我々にとって、つらい季節です。
      レオンありがとう。さんも、どうかご自愛ください。

  2. 匿名 さん

    初めてコメントします。
    私もちょうど6年前顔の右側が、痺れだし、体が右側へ引っ張られるようになり、おかしいなと思ったのですが、嫁さんの酔っ払ったんじゃない?との言葉で一度布団で眠りに入ろうとしたのですが、胸騒ぎが止まらず、携帯で検索すると、全部脳梗塞という結果に救急車を呼んだ次第で、あと少し遅ければ、点滴が間に合わなかったところだったそうです。診断結果は、延髄外側梗塞と言われ、当日からリハビリ開始し、温痛覚異常、歩けないから、スタート。2週間ほど、車椅子でした。今は普通に生活は、できていますが、温度は、左半身はわからず、痛覚は、戻らなくていいのに、痛みは、ほぼかんじるようになってしまいました。
    一番ショックだったのは、初めて風呂に入った時、左半身はまるで、水につかっているような、変な感覚だったのがショックでした。年々後遺症は、微妙に変化しており、マシになったかと思えば、また元に戻ったりの繰り返しですね。寒くなれば、感じはしないですが、今は、熱くても、冷たくても、すべて痛く感じるようになってしまいました。これが、今後遺症で、一番いやですかね。
    長々と書いてしまいましたが、これからもお互い頑張りましょう。

    1. のすけパパ

      こんにちは
      ブログにお越しいただきありがとうございます。
      わたしも、まったく同じ経験です。
      冷たいものが痛いのがつらいですね。わたしも。
      これから、ますます水に触れるのが怖くなります。
      後遺症がつらい時もありますが、めげずに頑張りましょう。

  3. ⊂二二二( ^ω^)二⊃ さん

    こちらのページの真ん中付近にもリンクありますが
    https://47w.ysb517.com/balance/
    の回で数回コメントさせていただいたものです。
    のすけパパさんのブログ定期的に拝見させていただき
    いつも心の拠り所にさせていただいています

    私はワレンベルグ発症から丁度2年が経ちました。
    今年の健康診断での採血で注射に痛みを感じました
    痛覚は発症当初全く痛み感じなかったですが
    少し痛みを感じ嬉しいようなそのままで良かったような・‥
    温覚は変化あるのかないのかわからない
    雨の日に靴に雨が入っても左足は全くわからないですね
    濡れている感覚がない
    目の痛みが毎日四六時中あるのでこれだけはすごいストレスですね
    市販ですが目薬代がかなりかかっています
    のすけパパさんも目が見え難くなる事があると以前仰せられていましたが
    痛みはないのでしょうか?もともとあったが無くなったとかありますか?
    これから寒い時期を迎えますので同志達くれぐれもご自愛ください

    1. のすけパパ

      こんにちは
      いつもブログにお越しいただき、ありがとうございます。
      温痛覚は変化がないですね……(泣)
      わたしも目が痛くなります。
      ゴミが入ったような痛みなので、ついつい鏡を見て確認してしまいます。
      もちろん目には何も入っていませんが。
      これから、我々にはつらい季節になりますね。
      ここのところの急激な天候の変化で、顔面の視床痛が強いです。
      お互い無理はせず頑張りましょう。

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