「温痛覚障害」、発症時に初めて聞いた言葉です。
今まで見たことも耳にしたこともありません。
この病気を発症しなければ、おそらく一生涯知ることのなかった言葉なのかもしれません。
ワレンベルグ症候群の数ある症状の中で、温痛覚障害は大変に特徴的な症状と言えます。
症状(後遺症)の変化の三回目です。
今回は感覚障害の中の皮膚感覚について書きます。
「温痛覚障害」は文字通り、温度と痛みを感じなくなる障害です。
熱いものや冷たいものに触れたとしても、触れていることは分かるのですが「熱い」や「冷たい」が分かりません。
先の尖ったものが皮膚に触れても、痛みがありません。
皮膚にすり傷などがあっても、気づかないこともあります。
では、やけどするような熱いお湯に触れたり、注射をしたりしたときに痛みを感じないかと言えば、実はそうではありません。
皮膚の表面での温度や痛みは感じませんが、皮膚の中では痛みを感じます。
注射のときは、針が皮膚の中に入れば痛みを感じます。
やけどをするような熱いものに触れると、その温度が皮膚の中まで伝わると痛みを感じます。
その際、痛みを感じるまでに若干のタイムラグがあります。
温度が皮膚の表面から中へ伝わるのに、少し時間が掛かるためだと思います。
温痛覚障害の現在です。
発症当時、温痛覚障害は10年単位で見れば少しずつは改善するような話を聞きました。
しかし温水シャワーに手をかざしても、暖かさは今もなお感じません。
発症後に初めてお風呂の湯船につかったときは、とても変な感じだったことを覚えています。
言葉で表現するのは難しいのですが、生ぬるい油にでも浸かっているような感じです。
今ではそのような感じはありません。
これは温痛覚障害が改善したのではなく、その感覚に自分が慣れてしまったのが理由だと思います。
ちなみに温痛覚障害は体の右半分だけなので、湯船につかれば左半分はお湯の暖かさを感じます。
結論を書けば、温痛覚障害は発症から10年経っても改善したと自覚できるほどではありません。
ただ温度や痛みを感じないことは、日常生活で致命的に困ることはありません。
気づかないうちに、皮膚が傷ついていて血が出ていることもありますが、そんなことは10年間で数回です。
もっともわたしの仕事はデスクワークが中心なので、怪我するようなことがありません。
仕事内容によっては、温痛覚障害はとても注意しなければならない障害となる場合もあるでしょう。
気づいていない傷がないか、体を目でチェックすることはわたしも定期的に行っています。
この障害でもっとわたしが困っているのは、冷たいものに触れると激痛を感じるようになったことです。
これが起きるようになって、冬がとても嫌いになりました。
余談ですが、温痛覚障害は体の左右の半分だけに起きます。
延髄の梗塞が起きた反対側です。
わたしは延髄の左側に梗塞が起きたので、温痛覚障害は体の右側半分です。
体の中心に縦に線を引いたら、完全に半分側だけが温痛覚障害です。
これは「見事」と言える程に、きれいに半分だけです。
体の中心にあるものも半分の側だけです。
(例えば、肛門や性器も)
おなかの皮膚に金属などの冷たい棒を当てます。
右側に当てていても、冷たさは感じません。
皮膚に当てたまま、その棒を左に移動させます。
体の中心を少しでも超えると、急に冷たさを感じます。
これぞ人体の不思議です。
ご無沙汰しております。
ゴリパパです。
症状は全く同じですね…。
ただ私の場合救いなのが、杖は必要なく左右どちらかに引っ張られる感じはあまりありません。
ただ温痛感マヒがしっかりと残っている状態です。(冬場には寒さを感じず有難い?)
発症後丁度2年が過ぎましたが、来年より新規会社に就職が決まりました。また忙しくなりそうですが、頑張ろうと思います。
こんにちは
杖が必要ないのは良いですね。
わたしも100%杖がないと歩けないわけではないので、妻と一緒のときは杖無しで出かけます。
就職おめでとうございます。
無理をしないように頑張ってください。
自分も47歳の時に延髄外側梗塞になりました。もう6年目です。
初めて風呂に入った時体の半分がまるで、水につかっているように何も感じなかったです。
自分の場合は今は痛みは感じます。(感じなくていいんですけどね)
熱いも冷たいも全て痛みとなって感じます。
雨にうたれたら頭を針でつつかれてるような痛みを感じる時があります。
冬は麻痺してる方の足が常に熱いというか何と説明したらいいのかわからないですが、痛みを感じます。
年々後遺症は良くなっているような気もしますが、一方でこんな痺れとか前は無かったのにと思うことが多々あります。でもこんな体と死ぬまで付き合わないといけないので、あまり深く考えないようにこころがけています。お互い頑張りましょう。
こんにちは。
ブログにお越しいただきありがとうございます。
痛みは少しずつですが変化しますね。
わたしの場合は、どちらかと言うと年々ひどくなっている気がします。
深く考えないのは大賛成です。
悩んでもしょうがないので、痛みや不自由さに慣れて気がつけば忘れているのが一番ですね。