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救急車を呼ぶ

別段変わらない、いつもの夜である。
3連休のなか日、0時を過ぎていたので3日目に差し掛かった頃である。
すこしだけ変わったことと言えば、一か月ほどやめていたタバコを吸ってしまったこと。
一か月も空けてタバコを吸えば頭がクラクラするものだが、何も無かったことを覚えている。

家で仕事をしなければならなかったので、パソコンの前にいた。
パソコンを見ると置いている場所が少しズレていることに気付いた。
パソコンを真っすぐの位置に直そうと、私は筺体を両手で持ち上げた。
重量のある筺体なので結構な力を入れる必要があった。

その時である。
「めまい」がした。
同時に血圧が上がっていく感じがした。
心臓が激しく鼓動し、血液が血管へ押し込まれるような感じである。
いったん椅子に座って落ち着くのを待つことにした。
椅子に座っても「めまい」はどんどん強くなり、天井がグルグルと回る。
気を失って椅子から落ちないように、床に降りて四つ這いになった。

頭痛は今まで経験したことのない激しさとなる。
顔面がしびれ、吐き気も感じ始めた。
妻に状況を伝えなければと思う。
妻は隣の寝室で先に寝ている。
とても立てる状態ではなっかたので、這って寝室に向かおうとした。
しかし、真っすぐ這うことができない。
沈没しかけの船のように、体が左側に傾く。
体を左側の壁に擦りながら、なんとか寝室に到着し妻を起こした。

常日頃「頭痛」、「しびれ」、「めまい」、「吐き気」の症状が組み合わされば、躊躇せずに救急車を呼ぼうと考えていた。
脳の異常が疑われるからだ。
命にかかわる病気の可能性もある。
だがそれは家族が症状をうったえた場合である。
自分がその症状になると、救急車を呼ぶことは気が引けるものである。

「自分の車やタクシーで病院に行くべきではないか?」
「ご近所さんに見られて噂になるのではないか?」
「救急車が到着する頃には症状が治まっているのではないか?」

しかし、この時だけは躊躇するような状態ではないと直感した。
妻は相当に動揺したみたいで、119番との電話で自分の電話番号も言えない状況であった。
私は頭を抱えながら床を転げ回り、「あー、うー」と唸るだけである。

ほどなく救急車が到着し、救急隊員に手際よく救急車に乗せられた。
車内では出発する前に、受け入れ可能な病院の確認を行っている。
救急隊員が「のうげ」と言っているのが聞こえる。
「脳外科」に行くのだと思いながら、テレビで見た「病院受け入れ拒否による患者のたらい回し」を思い出した。
幸いなことに受け入れ病院が見つかり、短時間で病院に向かうことができた。

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