電車の優先席にて

私は歩くことが少し不自由です。
外出する場合は、杖の世話になっています。
電車ではつり革につかまることによって、なんとか立っていられますが、できれば座りたいと願っています。
こんな私なのですが、優先席の方にはあまり行きません。

私が電車の中で立っているのがつらいのは、足を動かすのが不自由な面があるのですが、バランスが不安定なことも大きいのです。
ワレンベルグ症候群では、平衡感覚の障害が出ます。
そのために電車の中で立っていると常につり革につかまっていなければ、バランスを崩してころんでしまいます。
杖を持っているため、片手でつり革につかまり、もう一方の手では杖を持っています。
この状態なので、両手がふさがっています。
スマホを取り出したり、スマホを操作したりするのはできません。
杖にはぶら下げられるようにストラップが付いています。
しかし、ストラップを手首にかけてスマホを操作しようとすると、杖は持ち上がってブラブラします。
この高さは座っている方の顔の高さにちょうどなるので、座っている方に迷惑を掛けてしまう可能性があります。

通勤で40分程電車に乗る必要があるのですが、その間できれば座れればと思っています。
残念ながら駅は始発駅ではありませんし、神奈川と東京を結ぶ路線ですので、車内はそれなりに混雑しています。
電車に乗った時に、席が空いていることはほとんどありません。

それでも時折は心の優しい方に席を譲っていただくことがあり、大変に感謝しています。
電車は各車両に「優先席」が用意されています。
(鉄道会社や地域によって、別の言い方もあるようです。)
経験則からなのですが、この席を譲っていただく機会は「優先席」よりも「一般の席」の方が多いと私は感じています。
この経験則から、私は優先席の前にはあまり立ちません。

なぜ優先席の方が席を譲っていただく機会が少ないのか、少し考えてみました。

  1. 優先席には立っているのが困難な、本当に席を必要としている方が座っている。
  2. 健常者ではあるが、席を必要な方が現れても席を譲る気などない。
    もともと席を必要な方に対して席を譲ろうとする方は、優先席にはじめから座らない。

もちろん①は否定しません。
席を座ることが本当に必要なのかは、外見から判断できない場合もあります。
しかし②も少なからず存在しているように思えます。
この考えは私の勝手な思い込みかもしれません。
優先席より一般の席の方が、圧倒的に数が多いのですから、単に確率論の可能性もあります。
①も②も証明することなんて自分ではできません。

私は席を譲っていただくのは、すべて譲ってくださる方の善意だと思っています。
優先席に座っている方に「席を譲って欲しい」と言うのは構いませんが、それはお願いであって命令できるものではありません。
私も優先席に座っていて経験があるのですが、「私に席を譲るのが当たり前」のような高圧的な態度で言葉を発する方がいます。
それは間違っていると思います。
そこを履き違えては、人の善意をどんどん失っていくと思います。

 

遅くなりましたが最後に……

西城秀樹さんが亡くなられたのは、大変にショックでした。
私の世代のアイドルということもありますが、脳梗塞と戦っている同じ仲間という気持ちがありました。
西城秀樹さんがリハビリに励んでいる姿を拝見して、私も勇気をいただいていました。
ご冥福をお祈りいたします。

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