ワレンベルグ症候群発症8年目②

私のワレンベルグ症候群発症8年目の続きです。

嚥下

嚥下に関しては昨年から変化はありません。
飲み物や汁物、高野豆腐のように汁を多く含んでいるもの以外は、少し細かくすれば食べられます。
食事中にむせることも滅多にありません。これも慣れでしょうか?

喉の奥に運ばれた食物を食道に送るには、健康な方は喉の奥が強い力で収縮して食物を押し込みます。
わたしはそれができません。
ではどうやって飲み込んでいるのか? その仕組みは私も良くは分かっていません。
おそらくは食物を次々に喉に送り込んで(この動作は舌の動きが中心なので私もできます)、その力で先に食べた食物を食道に送り出しているのではないかと思います。
つまり新たに飲み込む食物で、その前に飲み込んだ食物を玉突きのように押し出しているのではないかと思います。
この飲み方の問題は、最後に口に入れた食物を食道に押すものがないことです。
現に最後に飲み込んだ食物は、飲み込めないので口から吐き出しています。
これがあるので、外食するのを避けてしまいます。

流動物

液体は少量なら飲めます。
決してゴクゴクと行けるわけではなく、慎重に慎重を重ねゆっくりと注意深く飲みます。
嚥下障害者は液体にとろみを付ければ飲めるようになる場合があります。
専用のとろみ剤が市販されており、コーヒーや味噌汁にとろみ剤を入れて飲まれる方もいます。
しかしわたしは、この「とろみ」を付けたものが苦手です。
もちろんとろみ剤は無味無臭に近いのですが、とろみ剤を入れるとまずくなった気がします。

わたしはまだ見たことはないのですが、最近は飲み物にとろみを付けられる自動販売機があるようです。
飲み物が紙コップで出てくるタイプの自動販売機ですが、ボタンを押せばとろみ付きになります。
わたしたち嚥下障害者は、外出するときは常に嚥下障害者用水分補給ゼリーを持ち歩いています。
このような自動販売機が駅などに普及すれば、不自由さから少しは開放されることになります。

液体が気管に入ろうとすると、健康な方は喉頭蓋が反射的に動いて気管を塞ぎ、液体の侵入を防ぎます。
わたしはこの喉頭蓋が麻痺して動かないようです。
液体が気管の方に飛び散った時に、同時に息を吸えば一緒に液体も気管に入ります。
液体が気管に入れば、激しくむせることになります。
むせることも体の反射的動作です。
そして気管に入った異物を出すための大切な動作です。

嚥下関連で私が一番恐れていることがあります。
「むせる」という反射的動作ですが、加齢など神経系の衰えにより体が反応しなくなることがあります。
専門的には「サイレントアスピレーション」と言いますが、異物が気管に入っても体が反射的に動作しない、つまりは異物が入っても本人は気付かない状態になるということです。
こうなってしまうと、誤嚥性肺炎になる危険性が一気に上がります。
これが恐れていることです。

誤嚥性肺炎を予防するには、

  • サイレントアスピレーションにならないようにする(予防方法があるのかまだわかりません)
  • 気管に異物が入った場合、むせて吐き出すだけの肺の力を維持する
  • むせても吐き出せなかった場合に、肺炎にならないように免疫力を維持する
  • 認知力が低下しないようにする(これは一番大切かも)

を心がけることが必要に思います。

発声

唾液も飲み込めないため、口の中で唾液をためることが多くなります。
そうすると、しゃべる頻度が下がります。
しゃべる頻度が下がると、声が出にくくなったり、舌がうまく動かなくなったりします。
しゃべることもリハビリと思って、なるべくしゃべるようにしています。

舌と喉のリハビリにはカラオケが良いとのことです。
最近は声の高低を調整するのも困難になってきました。
これも後遺症ですね。
発症前はカラオケが得意でしたが、今は音痴になっていると思います。
でも機会があれば、家族とカラオケに行きたいと思っています。

まとめ

全体的には、去年と大きく変化はありません。
しかし視床痛や灼熱痛などの感覚の障害は、少しずつですが一年前と比べるとひどくなっています。
もうそろそろ小康状態になってほしいものです。

8年目の最大のトピックは視床痛の薬を始めたことです。
そのことは別の機会に書くことにします。

そうそう、世の中では「GoTo××××」で騒がしいですが、旅行も外食もしないわたしには、いつもと変わらない日々が続いています。
仕事はほとんどがテレワークなので、三食を毎日自宅で食べます。
食事には色々と制限があるので、妻は苦心してメニューを考えてくれています。
今はそれが妻に一番苦労をかけているように思います(感謝)。

8年目

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